うつ病って、人生で初めて体験する方が多いのではないでしょうか?
症状が改善しないという不安と、これからの生活や仕事をどうしたら良いのだろうという不安が入り混じり、なんとも例えようのない嫌な気分に支配される感じ。
私も7ヵ月の休職中に、そんな訳のわからない不安に苛まれ、どうしたらこんな気持ちから脱出できるのか考え続けていましたが、運よく巡り合えた良書からそのヒントをもらうことができました。
発症のメカニズム、いま自身に起こっている正体は何のか、どう対処したら良いのか、どういう心持ちで過ごしたら良いのかなど、自分がこれからとるべき行動や思考の方向性が判るだけでも、だいぶ気持ちが楽になるのではないかと思います。
この記事では、私が約7ヵ月間の休職中に「読んでタメになった」と思う本を10冊ピックアップしてご紹介します。
管理人のかじちゃんです
46歳でうつ病を発症した時の、私自身の体験(リカバリーストーリー)を振り返ってピックアップしてみました
・休職中に「読んで良かったと思う本」を10冊ご紹介
・このタイミングで読めばベストと思う時期をタイムラインで解説
おすすめ読書タイミング
私が選出した10冊についてタイムラインにまとめてみました。
タイムラインに記載した「読むタイミング」については、私が実際に読んだ時期とは若干違うものもあります。
現在の視点から「休職中のこの時期に読めばベストだったんじゃないかな」と考えたものを記載しました。
休職期間は、発症~復職 6か月を想定してます。
- 発症~1ヶ月心身を休める事に集中
- 2ヶ月自身の症状について理解する
- 3ヶ月セルフマネジメントを身につける
- 4ヶ月心の持ちようを理解、精神修養
- 5ヶ月
- 6ヶ月
- 7ヶ月復職
1.『「うつ」な人ほど強く優しくなれる』 野口 敬 著
この病気に対する理解を深めて、本人やご家族の不安要素を減らすために有効な本だと思います
私自身、この本を読んで著者に深くシンパシーを感じました 。
うつ経験者ならではの視点で、うつに至る要因やメカニズム、気持ちの持ちよう、うつの過程で身につけたもの、完治についての考察、復帰の見極めとタイミングなど、知りたい情報全てを網羅しているように思います。
2.『小心者ほど強くなれる』 野口 敬 著
この本に出会っていなければ、恐らく私の復帰時期は数カ月遅れていたと断言できます。
私自身が小心者なので、共感部分多数(というか、ほぼ自分の認識と一致)で、あまりにも同意する内容が多かったため、読みながら涙が出るほどでした。
この時期、常に不安が付きまとっていました。
「私だけ真っ当な道を踏み外してしまったのではないか」という疎外感、
「自分の症状はいまどの程度なのか…そもそも治るのか」など、先が見通せない不安
復帰に向かって進むべきなのか、復帰しても再発するんじゃないのか、時期尚早なのか、まだ療養すべきなのか、など思考の整理がつかず悶々としていましたが、このあたりの悩みが一掃されました。
野口 敬氏については、以下の著書も大変参考になりましたのでご紹介しておきます。
・『心を休ませる技術』
・『「良いほうに考える」技術』
・『大切な人の「つらい気持ち」をラクにする方法』
・『「思考」の底力』
3.『実践自律訓練法』 佐々木 雄二 著
会社の安全衛生部門 U氏との面談時に勧められた本です。
基礎段階(安静)、第1段階(重)、第2段階(温)、第3段階(心)、第4段階(呼)、第5 段階(腹)、第6段階(額)、それぞれのメソッドと効能が詳細に解説されています。
自律訓練法については、復帰直前になって存在を知ったのですが、もっと早く実践できていれば、なお良かっただろうなと思ってます。
4.『考えない練習』 小池 龍之介 著
仏道的に物を正しく感じとる、受け流す、表現や客観視について、方法論や思考論が書かれています。
自己に芽生えた怒りや、他者から与えられる外部刺激に対して、どのように対処する(あるいは受け流す)か。
読んでみて共感できる部分を良いとこ取りすれば良いかと思います。
巻末の池谷裕二氏との対談も興味深かったです(物質世界と精神世界の接点) 。
5.『煩悩フリーの働き方。』 小池 龍之介 著
現代における避けて通れないストレスの受け入れ方、削ぎ落し方、流し方、心の持ちよう、活かし方を、三毒、業(カルマ)、八正道といった仏道解釈、説法を用いて解説されています。
仕事のやり方に焦点を当てて解説されているので、当時の自分にしっくりくるものがありました。
6.『苦しまない練習』 小池 龍之介 著
ブッダの言葉について、経典を引用した著者の意訳が巧みであり、内容が腑に落ちていきました。
小池 龍之介氏については、以下の著書も大変参考になりましたのでご紹介しておきます。
どれも良書です。
書いてある内容が多少ダブるところがありますが、そういうところは読み飛ばしても良いかと思います。
・『「自分」から自由になる沈黙入門』
・『偽善入門』
・『もう、怒らない』
・『平常心のレッスン』
7.『40代で始める「最終戦略」ノート』 西山 昭彦 著
うつ病発症までは、会社組織を中心とした人間関係を築いており、仕事のやり方(あり方)についてもあまり疑問を持たずに生きてました。
何も考えずに40代まで来てしまったという反省をもとに、この休職を機に人間としての基礎みたいな部分を組み立てなおしてみたいなという思いがあって、手に取った本です。
人生の中間点を迎えて、振り返るためには、とても良い内容だったと思います。
特に心に響いた言葉を以下まで。
・自立とは、会社でも家庭でも自分で自分の事が出来ること
・会社は生きる上でのツール、舞台、見せ場
・人生の中間決算をする
・40代は個に戻るチャンス、入社後20年で会社へ接近、次の20年で会社から離れていく
8.『 早く家に帰るための「仕事のルール」』 松本 幸夫 著
うつに至った最大の要因は、仕事の重責によるものでした。
これまでの自分の仕事には無かったようなやり方を取り入れてみようと考えて、この本を選びました。
この本で取り上げられている、「自分の効率ピーク時間を意識する」という考えは今も実践してます。
ー午前中は頭を使う仕事
ー午後はルーティンワークもしくは体力を使う仕事 みたいな感じで
9.『残業ゼロでも必ず結果を出す人のスピード仕事術』 植田 統 著
この本も、松本幸夫氏の著書と同じ理由で選びました。
時間内で結果を出せない人の癖や心情、性格を指摘してます 。
改めるべき点、時間の有効活用のためのメソッド、マネジメント、対人スキル、対話術、会議手法、セルフマネジメント術までしっかりおさえてあり、当時の自分にとっては非常に有効な一冊でした。
復職後に取り入れて、実践してました。
10.『戦国武将のインバスケット』 鳥原 隆志 著
読者参加型の戦略教本と思っていただければよいかと...
この本については、人によっては好き嫌いはあるかと思います。
戦国の時代背景や忠義にこだわりすぎな感じはありますが、私は楽しみながら入り込めました。
戦略を立てるには明確な目的を設定する必要がある事を、この本から学びました。
まとめ
この記事では、休職中に「読んでタメになった」と思う本を10冊ピックアップしてご紹介しました。
参考になったでしょうか?
ご紹介した本は、私が休職中に読んだ本を、私なりの見解や主観に基づいて記載してます。
その人にとって何が良書になるかは、置かれた状況や病気の症状、軽重などに左右されると思います。
皆さんもいろんな本を読んでみて、これだ! と思えるものを見つけてみてはいかがでしょう。