自分が今抱えている、何ともたとえようのない不安を取り除くにはどうすれば良いのか…休職期間中って、こういう事を考えてしまいますよね。
復職を焦るあまり、ついやらなくても良い事をやってしまったりして、休職期間が長引いてしまうケースも多いようです。
私も46歳の時にうつ病を発症、約7ヵ月間の休職中に何度か失敗を経験しましたが、そんななかでも「あれは有効だったな」と思うような事柄がいくつかありました。
この記事では、休職中に「やって良かった」と思うことを、当時記録していた日記から10個ピックアップしてご紹介します。
私自身の体験(リカバリーストーリー)から選んだものをお伝えしますので、良かったら参考にしてみてください
・休職中に「やって良かった」と思うことを10個ご紹介
・選んだ理由、効果など詳細を解説
下記タイムライン中の各項目をクリックすると、それぞれの詳細が確認できます
- 2013年11月休職前
- 2013年12月休職1ヶ月目
- 2014年1月休職2ヶ月目
- 2014年2月休職3ヶ月目
- 2014年3月休職4ヶ月目
- 2014年4月休職5ヶ月目
- 2014年5月休職6ヶ月目
- 2014年6月復職
上記タイムラインですが、この時期にこれをやった方が良いのではないかというタイミングを記載してます。そのため私の実体験とは多少 時系列が前後しているものがあります。
1.早めの休職判断
心身に少しでも不調を感じはじめたら、できるだけ早めに心療内科を受診したほうが良いと思います。
私はうつ病と診断されるのが怖くて、正直なところ受診にはけっこう抵抗がありましたが、思い切って心療内科クリニックを受診しました。
主治医の診断は、軽度のうつ病。
休職するかどうかの判断では逡巡しましたが、この時点で早めに休職を決断したのは、後から考えると正解でした。
どの程度の症状で休職するのが妥当なの?
軽度の症状でも、主治医から「休職してみましょうか?」という勧めがあったら、迷わず休職した方が良いと思います。
症状が軽いうちに休職して、しっかり治療に取り組んだ方が結果的に早期復帰に繋がると考えています。
あと日記には記載してませんが、休職2ヶ月目くらいの時期に、カウンセラーと休職期間について会話したことがあります。
カウンセラー曰く、1ヶ月では短すぎ、最低でも3ヶ月は必要、6か月くらいが妥当ではないかとの事でした。
私の場合、結果的に復職まで7ヵ月かかっているので、この時のカウンセラーの見解は妥当だったと考えます。
2.心身を休めることに集中
休職初期の段階では、とにかく心身を休める事に集中しました。
というより、休職初期の段階では何もやる気になれず、薬の影響でとにかく眠かったので、「何も出来なかった」というのが実情です。
休養していると、「何もしないためにどうしたら良いか」などと、また余計なことを考えてしまいがちになりますが、これでは脳が休まりません。
とにかく脳を休ませるために、敢えて「何もしない。何も考えない」という期間を作ったほうが良いと思います。
ご家族や周りの方の理解も必要かと考えます。
身体が動けるようになっても、無理をしないでしっかり休養する段階だと思います。
私はよく散策に行ってリフレッシュしていました。
3.早期からカウンセリング開始
うつ症状の改善にカウンセリングは不可欠なものだと個人的には思っています。
当時で、¥5,000/回(45分)と結構値が張るものでしたが、多角的な思考や気づきのヒントを与えてもらったり、誰にも言えない悩みを聴いてもらったりしてました。
私の場合、メンタルヘルスクリニックの主治医と相談し、休職早期の段階からカウンセラーをつけてもらいました。
発症当初に処方されていた薬は徐々に減らして3ヶ月後にはゼロにしましたが、カウンセリングは復職後もしばらくは続けていました。
海外の映画などで、主人公が「今日はカウンセリングの日なんだ」などと言うシーンを見ることがありますが、日本でもこれくらい気軽で日常的にカウンセリングを受けられるような風潮になれば良いなと思います。
4.日記の記録を開始
休職2ヶ月目、周りにも少し目を向けられる余裕が出てきた頃に日記を開始してます。
自身も含め、周囲に問題が山積し、頭がカオス状態になっていましたが、日記に記載することで鬱積したものを吐き出して整理する事ができ、だいぶ楽になりました。
また、後々の行動振り返りや俯瞰に役立ちました。
何を書けば良いのやら…
書き出す内容は何でも良いと思います。
私は、普通のA4判ノートに半ページ~1ページくらい、思いつくまま書いてました。
記録にかける時間は15分くらい。これより長いと疲れてしまうので、あえて時間制限をかけてました。
5.親族全員で団結し、実家の問題を解決
うつ症状の原因は多岐にわたるため、不調の原因と思われるものを、自身や周囲から1つ1つ丁寧に取り除いていく作業が必要になると思います。
実家両親の心身不調は、私のうつ症状にも間接的に関与していたと思われるため、この問題を解決出来た事は私自身の心にも非常に良い影響を与えてくれたと考えています。
実家に居る母に認知症を疑うような素振りが出始めたことをキッカケに、長兄/義姉、次兄/義姉、私/妻 6人でLineグループをつくり、そこを親族会議の場としました。
ITの便利さを痛感すると同時に、情報共有の大事さを改めて知る機会になりました。
ちなみにこのLineグループは現在も大活躍してます。
余談ですが、この対処をとおして『親孝行は生きてるうちに…ではなく、もっと早く親が健在なうちにやっておいたほうが良い』と痛感しました
両親の心身不調で大変な時期でしたが、長兄、次兄、義姉、妻 親族全員で協力団結して改善の方向へ進められた事は大変大きな成果でした。
また、期せずして兄弟の結束が深まって良かったと今は思ってます。
6.図書館で良書を探索
関連図書での知識の取り込みは、本人やご家族ふくめ、この病気に対する理解や、心の持ちよう、不安要素を減らすために有効だと思います。
私は、休職3ヶ月目、空いた時間をどう過ごすか考え、図書館で借りた本を駅近くのファストフード店などで読み漁る事を思いつきました。
ジャンルはハウツー本、心の負担が軽くなる内容に絞っていましたが、のちに野口 敬氏や小池 龍之介氏など良書に巡り合います。
なお、ホラーなど刺激の強いものは避けた方が良いかと思います。
私自身、このジャンルの本をチョイスした際、気分が落ち込んでしまい、数日は立ち直れませんでした。
休職期間中に読んだ本については、詳細を関連記事にまとめていますので、よろしければ参考にしてください
7.自身の症状に向き合う
休職4ヶ月目の時期になり、復職を意識し始めた頃、時々現れるなんとも表現しようのない「厭な感じ」について、この時に初めて正面から向き合い、なんとか文字表現してます。
この「厭な感じ」を回避する為、いろいろ模索し始めた頃で、 後々習得する自律訓練法などに向けての意識づけとなりました。
ただ、これをやる時期については、主治医やカウンセラーと良く相談されたほうが良いと思います。
有効なのは確かなのですが、私の場合、これをやると、少なからず心にダメージを負って必ず気分の落ち込みがありました。
内省や自己分析などを開始する時期については、主治医やカウンセラーに良く相談した方が良いと思います
8.市民農園での作業を本格開始
作業時は無心になれるし、周りが自然に囲まれている環境なので、うつの症状に良い影響を与えていたのは確かだと思います
農作業が症状緩和に効果があるらしいと聴き及んでいたので、休職初期の段階で市民農園を借りました。現在も続けています。
農作業には以前から興味があったのですが、ここでもきっちりやりたがる性格が出て、こだわり農法やこなしきれないほどの多品種栽培にのめりこんでいきました。
いろんな種類を育てたくて、20品種近くやっていたと記憶してます。
今考えると無謀ですが、興味本位でチャレンジしてました。
市民農園での作業については、別記事でも紹介してますので、よろしければご覧ください
9.復職に向けて自己を分析
休職5ヶ月目、復職に向けて自己を分析しています。
会社で予算方針資料作成などで現状分析する際に、SWOT分析をツールとして使用してましたが、自分自身の現状分析と復帰後の計画に使えないものかと思って試しに実践してみたところ、案外良い感じで分析出来ました。
自身の強みや弱み、コアコンピタンス(自分が自信を持ってアピールできるものは何か?)を客観的に分析・明確化し、目標や戦略を立てるところまでやっていました。
ここまでやることはないのに…と今更ながら思いますが、理論に走りがちな自分なりのやり方として肯定したいと思います
10.有識者の改善アドバイスを受ける
保健師の勧めもあり、会社の安全衛生部門に所属する方から、心身不調に至るメカニズム、防御・対処方法、気持ちの落ち着け方(自律訓練法、系統的脱感作法)など、非常に有意義なアドバイスをいただきました。
自身を守るための防具(盾や鎧)を装着した気分でした。
このアドバイスがなかったら、復帰してもすぐに再発していたかもしれません。
のちに自律訓練法を自己習得するキッカケとなりました。
内部EAP体制がしっかりした会社ならば、私のケースのように保健師を通じて紹介してもらう手段があります。
そうでなければ、クリニックのカウンセラーや外部EAPを利用してみてはいかがかと思います。
【まとめ】やって良かったこと
いかがでしたか?
参考になったでしょうか?
今回、休職中に「やって良かった」と思うことを、当時記録していた日記から10個ピックアップしてご紹介しました
1.早めの休職判断
2.心身を休めることに集中
3.カウンセリングを開始
4.日記の記録を開始
5.親族全員で実家の問題を解決
6.図書館で良書を探索
7.自身の症状に向き合う
8.市民農園での作業を本格開始
9.復職に向けて自己を分析
10.有識者の改善アドバイスを受ける
この病気になり休職が決定したときは、「これでゆっくり休める」と非常に安堵した反面で、「まっとうな道を踏み外してしまった」という絶望的な気持ちにもなりました。
しかし、この休職を経験したことで得られた知識、妻や周囲の人への感謝、さまざまな気づきがあった事は事実です。
この記事を書くとき、「良かったこと」に併せて「悪かったこと」も書こうとしたのですが、休職期間の収入が減ったくらいで、他に悪かった事は思いつきませんでした。
今となっては貴重な体験です…だけどもう経験したくない。辛いので…(^^;)
よろしければ、関連記事も併せてご覧ください。